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寝ても覚めてものdm28ktのネタバレレビュー・内容・結末

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます




彼女はいつの時点から夢幻をさまよい始めたのか、そこがカギになる気もするがそうでもないかもしれない。ただその考えをよぎらせるのが、引っ越ししたばかりの部屋の中でインターホンが鳴った扉の前に居た人物についてだろう。どちらがどちらであってもおかしくないのだ。同一の顔で、同一の声帯を震わすのだから。(1人に2人の人格がいることだってあり得るわけだ、だから完全に別人だってわかると走り出したわけだ)それは欲望の発露、希求の象徴。故の再会の時の恐怖。一方的に裏切られる人格の向くベクトルと、選択と決別の末の視線が向く方向は残酷な表情と共に、静止する地点から川の流れに身を任せられない卒業を迎えることになるように見えた。北へ向かう深夜のドライブ。喫煙所から見下ろす視線。昼間の花火。ツッコミどころも沢山あるけど、総じて素晴らしかったように思う。
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