ハンスウ

パパロッティのハンスウのレビュー・感想・評価

パパロッティ(2012年製作の映画)
3.4
クラッシックについては疎くてもパヴァロッティの名前くらいは知ってますよ。この人の歌を特に聞いたことがあるわけではないけど、多くのポピュラーミュージックのスターやロックスターとも共演してるからYouTubeなんかで動画を観たことがあるんです。普段、数万人規模のアリーナでライブをこなすどんなロックスターでもパヴァロッティと一緒にステージに立つときは緊張してるんですよね。そんな世界的に偉大な歌手だったパヴァロッティの名前をこの映画の主人公は間違えてパパロッティって覚えてしまってたから「パパロッティ」。

実話を元にしたといっても、まあ、大幅に脚色はされていると思います。要は、ポール・ポッツやスーザン・ボイルみたいな人が韓国にもいますよと、そういう話なんですけど、ちなみにこの二人はまったくの無名の人だったんだけどオーディション番組でいちやく時の人になっちゃった人たちです。そういう隠れた才能が世に出ていくまでが描かれていますけど、あんまり音楽の話はしてないんですよね。じゃ、なにかというと、もう一人の主人公、先生役のハン・ソッキュさんとのいわば師弟関係を中心に描いています。出来の悪い生徒とちょっと落ちぶれた感じの先生といったところ。はい、あんまり新鮮味のないストーリーだし、はっきりいって冗漫で大味な印象でした……

それでも持たせてしまうハン・ソッキュ。「シュリ」のレビューでも書きましたけど初めて覚えた韓国人俳優の名前です。他の韓流スターほど背が高くないし、顔も地味。どっか、その辺のコンビニの店長をしてそうな顔ですけど超一流の俳優です。とにかく演技が的確。余計なことをしないです。ちょっとアドリブ風でふざけてるようなシーンもあったけど、計算機ではっきり答えを出すような演技でぐいぐい引っぱっていきます。決してイケメンではないおじさんなんだけど本当にかっこいい。その周りをコメディタッチの脇役陣が盛り上げてたのがけっこう楽しかったです。そんな俳優たちに救われた映画なんじゃないかと思ってしまいました……
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