最近は遂にHuluの『あなたへのオススメ』にB級作品しか表示されなくなりました、色んな作品をバランス良くオススメしてくれていたあの頃が輝いて見えて少し複雑です。「折角母親が毎朝三菜一汁を用意してくれていたのに手をつけずにレトルトハンバーガー等で手早く朝食を済ませまくっていたら、いつしか朝ごはんの代わりに千円札１枚がテーブルに置かれているようになった」どこかそれに似た物悲しさを今更感じます。
さて余談はこれくらいで。
タイトル通りジャングルにおけるホラーである本作は、全編通してPOVで製作されている。ジャングルとPOV、この組み合わせはマジにヤバイ。最強のスパイスにも最低の味付けにもなり得る。POVホラーはそもそもの前提として、画面上における情報量の少なさから生まれる臨場感や切迫感を武器に恐怖を味わわせるというやり口。ではその舞台にただでさえ視界が最悪なジャングルを用意するとどうなるか。当然POVの持つ魅力を最大限に発揮させる特効薬か、画面から得られる情報量を映像作品として破綻しているレベルまで落としてしまう劇薬かの二つに一つということになる。今作感じたのは前者としての効果だった。
勿論ストーリーなんてあってないような物だし蛇足な設定も多いし結局オチというか敵の正体も期待外れではある、でもその粗削りさが密林POVにピッタリマッチ。一言で言うなら、「素人がジャングルを一人称視点で見ているから視界なんて悪くて当たり前」ってことでもある。ポンと怪物が潜む密林に放り出されて周囲の状況を的確に把握できるわけも無い。そんな上手いトコをサクッと突いてきた作品という印象。
あくまで個人的な意見であり、なんなら反論の方が多いかもしれないが、実験的な低コストホラームービーにしては相当良く出来ていると思う。しかし先ほども述べたように、多すぎる欠点を抱えた一作でもあるので甘く採点してこの結果。
