あんず

セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅のあんずのレビュー・感想・評価

3.1
雑誌の特集「僕の好きな映画」の中で、大きく見開きで紹介されていた映画です。
アメリカのコメディというと下ネタ全開のイメージでしたが、どことなく寂しさを帯びた可笑しなロードムービーでした。
アイスランドの映画「Á annan veg(Either Way)」のリメイクだそうです。

テントで寝泊まりしながら、道路に延々とセンターラインを引く作業を続ける中年男性アルヴィンと彼の恋人の弟ランス。

登場人物が少なく、このふたり以外は、たまに出会うトラックの運転手と山火事の焼け跡で探し物をする老婦人だけ。
大自然の中、ドキュメンタリーのような自然な会話や佇まいが印象的でした。

ぶつかり合ってばかりだった年齢も性格も違うふたりですが、似たような悩みを打ち明ける女子トークならぬ男子トークでお互いを理解し始める様子がなんともほのぼの。

焼け落ちた家で、アルヴィンがひとり芝居を演じる姿が最高に物悲しくて、彼が思い描く理想と現実のギャップに寂しくなります。
ゆるい映画かと思ったらそうでもなく、寂しさと滑稽さの合わさった日常のような不思議な雰囲気の映画でした。

作業服のオーバーオール姿が可愛すぎです。
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