ひびぬ

グランド・ブダペスト・ホテルのひびぬのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

むかしむかしの、そのまたむかしのおはなし🏨

ずっと気になっていて、半分まで観てたのにその先観れていなくて、ようやく観れた!

ウェス・アンダーソンの世界観。どこを切り取っても絵になる。
特に1980年代のグランドブダペストホテルの内装や、登山電車が好き。
お城の厨房の窓の外から厨房の中を撮っていると思いきや厨房の外にいる人を写したり、画面手前にいた人が移動して画面後ろの山を登っていたり、風景は一つで同じなのに、次の動きが同じ画面に写っているのが独特で面白かった。

本を読んでいる女の人目線→その本の作者の目線→その本の作者の若い頃の目線(グランドブダペストホテルのオーナーであるゼロに話を聞いている)→ゼロの若い頃(ロビーボーイ)の目線と、どんどん物語の奥に入っていく感じが(マトリョーシカみたいな)、作品の世界に入り込むのに有効に作用している気がする。『ヘンリーシュガーの〜』とも共通していて、やっぱり森見さんの『熱帯』を感じる。

1980年代のグランドブダペストホテルは華やかでキラキラしている。本の作者が若い頃話を聞いている時のグランドブダペストホテルは客も少なく寂れていて、その対比がとても効いている。時間の流れを感じられる。

1980年代当時のホテルのオーナーが愛していた老女が殺されたことから昔話が始まり、オーナーが価値のある絵画を相続されたことから物語が展開していく。
ゼロとホテルのオーナーが追っ手から逃げたり、絵画を護るために動いたりしているのにハラハラドキドキ。
当時のことを話す時、ゼロはきっと大冒険として話したんじゃないかなあと勝手に想像した。若い頃のゼロは目がキラキラしていたし、そりに乗って雪山で追っ手から逃げるシーンは大冒険そのもの!と感じたから。

次はキングスマン観よう。
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