Oshmar

グランド・ブダペスト・ホテルのOshmarのレビュー・感想・評価

4.5
既に喪われた世界を心から愛すること、それがどれほど哀切な感情か知らしめてくれる映画。時代が移ろい、なつかしい「昔ながらのやり方」が消えていくかなしみ(観ると必ず泣いてしまう場面がある)。ステファン・ツヴァイクの世界を見つめる眼が、レイフ・ファインズという稀有な役者の肉体を通じて甦ってくる。ディテールはこの監督らしくキュートで小気味よく、ひとつひとつが魅力的。ウェス・アンダーソン作品でも特に好きな一本。
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