OASIS

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャーのOASISのレビュー・感想・評価

4.0
「アベンジャーズ」の戦いから2年後の世界を舞台にした「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の続編にして
マーベル・シネマティック・ユニバース第9弾。
前作でのイメージは「なんだか微妙」でしたが、前言撤回したくなるほど今回のキャップはカッコ良かったです。

古代の遺産であるキャップと現代の最新兵器である対テロリスト撲滅用ヘリキャリア。
テロリストをこの世から抹殺する為には、そんな危ない考えを持つ人達を片っ端から殺してしまえばいいという「マイノリティ・リポート」的な思想に真っ向から立ち向かう、星条旗を背負った正に「アメリカの魂」を象徴するキャップ。
極めて政治的な思惑の間で揺れ動くシールドの仲間達の中で、時代は変わっても正義感で突き進む彼の信念だけは揺るがない。
人情に溢れて、最大の敵である「ウィンターソルジャー」にすら情けをかける。
そんな人間味がだだ漏れの彼に一人の人間として親近感を感じ、自分が好きなマーベルヒーローの中でもグンッと順位を上げられてしまいました。

そして、アクション。
ニック・フューリーやブラック・ウィドウ、ファルコンといった脇役にも主役級の見せ場を与えて、決める所はキャップのシールドアクションで突破する。
主演のクリス・エヴァンスは、パルクール、ブラジリアン柔術、空手、ボクシング等ありとあらゆる格闘術を練習したとあって、前回よりも肉弾戦に力が入ってます。
「マイティ・ソー」や「アイアンマン」と違って、ビームや雷といった特殊能力を持たないキャップをいかに超人に見せるかという点で、実にしっかりと地に足のついた動きでもって説得力を持たせています。
ウィンターソルジャーとのナイフアクションのキレは、「アジョシ」ばりではないでしょうか。
盾によるアクションも前回よりバリエーションに富んでいて、その所為でいつ盾が戻って来なくなってもおかしくない状況にハラハラさせられました。

悪役であるロバート・レッドフォードのどうにも一筋縄では行かない感じが良くて、敵とは分かり切っているのにいつヴィランに変身するか分からない変な緊張感が最後まで持続するし、ナイスな配役でした。
彼を配したのは70年代のポリティカルサスペンス「コンドル」へのオマージュらしく、事前に「コンドル」も観て予習してましたが特に観なくても良かった感じでしたが。

とにかく圧倒的に前作よりも面白くなっているし、キャップの演説にグッと来るしで、確実に「フェイズ2」の中で一番良かったのは間違い無し。
「アベンジャーズ」のジョス・ウェドンもそうだが、全くの無名状態からこれだけ上手くまとめ上げて作ったルッソ兄弟は何者なんだよと思うし、マーベルの審美眼は半端ないなと感じる映画でした。

余談:今回はご丁寧に上映前に「エンドロール後も映像があります」と注意しているのにも関わらず、終わった途端ぞろぞろと20人程帰って行って驚きました。
君ら何を観に来ているの?マーベル映画だよ?
もしかして彼らは2時間前の記憶が保てないようにヒドラに改造されていたのかもしれませんね、可哀想に・・・。
OASIS

OASIS