ヨッシー

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャーのヨッシーのレビュー・感想・評価

4.5
『前作とは比べ物にならないアクションの超絶進化!』

『キャプテン・アメリカ』シリーズ第2作目にしてマーベル・シネマティック・ユニバースの9作目。

『アベンジャーズ』での戦いの後、シールドに所属していたキャプテン・アメリカだったが、ニック・フューリーが暗殺されたのをきっかけにシールドに追われる身となってしまう。

監督はアンソニー・ルッソとジョー・ルッソ。
主演はクリス・エヴァンス。

前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』はキャプテン・アメリカという時代錯誤になりかねない難しいキャラクターをストレートにやりきったなかなかに上手い1作目ではあったが、反面アクションシーンが少々地味ではあった。

しかし、本作ではそのアクションが劇的な進化を遂げている。フェイズ2に入ってからはアクションシーンの派手さが数段上がったMCU作品の中でも突出して素晴らしい。

冒頭の船でのシーンから圧倒的な進化を遂げたキャップのアクションを見せてくれる。スピード、動きのキレ、盾を使ったバリエーション豊かな戦い方、どれを取っても素晴らしい。

他にもエレベーター内でのアクションや戦闘機を撃墜するシーン、ウインター・ソルジャーとの格闘等見所満載。

キャップ以外でもブラックウィドウの柔軟な動き、ファルコンの空中戦、ニック・フューリーのカーチェイス等も素晴らしく、とにかくアクションに関しては見所しかない。

アクションだけではなくストーリーもしっかりしている。
前作ではアメリカ軍の兵士として戦っていたキャップが逆にアメリカと敵対する立場になっていくのは時とともにアメリカの変化を表していて面白い。

『アベンジャーズ』ではあまり描かれなかった浦島太郎状態になってしまったキャップぼ悲哀がしっかり描かれていて、バッキーとの友情やペギーとの再会はなかなか泣ける。

新キャラのファルコンことサム・ウィルソンも最高。本作はMCUの中でもシリアス寄りで重い話になっているが彼がいい感じにユーモアを入れてくれているおかげで、いい感じのバランスになっている。キャップとのコンビ感も見ていて楽しい。

多少ツッコミどころを上げておくと、MCU全体を大きく動かすような内容なのに事前に伏線を張っておかなかった事で多少違和感があるかな。シールドがああいう状態なら『アベンジャーズ』で今回の敵が何も動かなかったのはちょっと変。
あと、ホークアイが全く出てこないのも不自然。一応出演するプランもあったらしいけど、ボツになった模様。1本の映画としての完成度を重視した結果だとは思うけど、MCUファン的には少し残念。この辺のバランスは難しいね。

とは言え、1本の映画としてもMCUの作品としても非常に完成度の高い傑作なのは間違いない。この後ルッソ兄弟は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と立て続けに傑作を生み出していることもあり、個人的にはMCUで最も信頼できる監督。

『キャプテン・アメリカ』シリーズは全てMCUの背骨となる重要な話でもあるので他の作品を見る前に観ておくことがオススメです!
ヨッシー

ヨッシー