Aix

だれかのまなざしのAixのレビュー・感想・評価

だれかのまなざし(2013年製作の映画)
2.2
君の名は、天気の子、すずめの戸締まりなどで知られる新海誠が監督をした野村不動産のCM短編映画。上京2年目の女性とその父親を描いた話。

行間が皆無なしつこ過ぎる脚本、臭くてあざとい台詞回し、感動をゴリ押しするためのやかましいBGM、無駄に綺麗なアニメーションという、新海誠のダメところだけが詰め込められた駄作でした。正直どの新海誠作品にも当てはまりますが、マジで言葉で説明する瞬間が多過ぎます。モノローグと言い、ナレーションと言い、楽曲の歌詞と言い、視聴者の感情を無理矢理言葉で揺さぶろうとしている演出が多く、美しい映像という取り柄を自ら壊している感じが凄いです。湯浅政明とか、今敏とか、細田守とかはその辺を上手く回避するんだけど、新海誠は一向にそれが改善されないし、もう多分本人も治す気がないんだと思います。今作はCMだからか、彼の悪いところが顕著に表れていて、鑑賞中はかなり苦痛を強いられました。新海誠はエロゲのOP畑出身で、彼の作品自体にも古き良きセカイ系の雰囲気や、童貞処女臭満載の痛々しい展開を迎えることも少なくはありませんが、物語性の皆無なCMだとそういった個性も生かされていなかったです。

特に嫌いではない新海誠のことを敬遠したくなるような一本でした。ウォンカーウァイとかもそうですが、映像だけが綺麗で中身のない監督というのは淘汰されて良いと思います。
Aix

Aix