ピロシキ

白痴のピロシキのレビュー・感想・評価

白痴(1951年製作の映画)
3.4
羅生門と生きるの間に作られた超大作。原作ドストヱフスキヰ、力入れすぎたのか4時間半ほどに仕上がったものを100分ほどブチブチに切られて黒澤監督もブチ切れしたそうな。

汚れなき無垢な主人公は、人のわがままな欲望を写す鏡のよう。周りがああでもないこうでもないと騒ぐうちに、ひっかき回されて振り回されて、勝手に好かれて嫌われて、捨てられ拾われやっぱり捨てられる。壊れてしまうのも無理はないよ。

登場の瞬間から空気をガラッと一変させる女優・原節子、小津作品だけでは計り知れない、その鬼気迫る演技の凄まじさに触れる。
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