白痴の作品情報・感想・評価

「白痴」に投稿された感想・評価

二兵

二兵の感想・評価

4.0
19世紀ロシアの文豪・ドストエフスキーの五大長編のうちの一つを映画化。ついこの間原作を読んで、非常に面白かったので、その記憶が消えないうちにと鑑賞。

余談ですが、ドストエフスキーの作品では『罪と罰』がいちばん好きです。サスペンス小説としても楽しめるしね。

で、映画版の内容。序盤、やたらテロップが挿入されて、話が端折られてんなと思ったら、やっぱりカットされていたみたいで…黒澤明の有名な言葉『フィルムを縦に切れ!』はこの作品であるとのこと。

日本の北海道が舞台ではあるが、恐らく意図的に日本的な要素が、なるたけ排除されており、食事のシーンもパンやワインだったりするし、雪まつりの場面の呪術的な雰囲気など、ロシアっぽさを感じさせる場面多し。

ムイシュキン公爵=亀田・森雅之、ロゴージン=赤間・三船敏郎は流石の存在感だが、何と言ってもナスターシャ=那須妙子・原節子の風貌と演技が凄まじい。
常に黒い服を身に纏い、男どもを惑わせ、ときにヒステリックな笑い声をあげる。彼女の初登場シーンである写真の場面の目力、その後の本人登場(直前の森の表情でタメを見せてるところも良い)は、彼女がただならぬ存在であるかの様に演出されており、さながら魔女が降臨してきた様で、結構怖かった…。原節子といえば"白"のイメージなので、なかなか衝撃的。

2時間40分もの長丁場ではあるが、原作を読んでいた事と、黒澤演出を意識しながら観ていたので、飽きることは無かった。

とはいえ、原作もそうなんですが、いわゆるシリアスな笑いというか、演技が過剰過ぎてコメディーみたいになってしまっている箇所がチラホラ…。

終盤はもはや亀田と赤間の同性愛映画みたいになっていて、何というか…ただ、原作からも感じられた、あの場面の異様さが上手く醸し出されていて良かった。

ラスト、原作には無い、久我美子演じる綾子=アグラーヤの最後の台詞が切なかった。
黒澤明監督の作品ぐらい流石に観ておかねば、と思い初視聴。


素晴らしかったのは、人物や物の配置の無駄のなさと情景表現。
モノクロによる情報の少なさを生かした画(特に暗いシーンはもはやホラーでさえあった)など。

すべてを計算しつくして撮る、監督の完璧さと異様なまでのこだわりを感じた。
映像美、とは少しニュアンスが違うような気がする。
確かに美しいんだけど、洗練されている、余計なものが画の中に一切ない美しさだった。

あと久我美子さんが美しすぎた。


話に関して言うと、
初視聴でこの作品を選んだのが原因かはわからないが"昔の映画"感が強すぎて、しばらく作品から置いてけぼりになってしまった。

みんな感情抑えられなさ過ぎなのと、女性の照れ隠し?の言動行動があまりに複雑すぎて、、笑
それとも昭和前期は本当にこういう感じだったのかな。うーん

初め2時間は、もっと短縮してくれ〜〜と思いながら観ていたが、ラスト30分の展開は面白かったので、他の作品も観てみようと思った。
1980年5月22日、文芸地下で鑑賞。 

読んだこともないドストエフスキーの原作を、北海道に舞台を移して映画化した作品だが、どうにも分からない作品だった。

「自分が、きっと教養不足なのだろう」というのが、この映画を観た感想。

黒澤明監督が当初つくりあげたバージョンはこれよりも更に長くて「フィルムを縦に切れ」という名言が残っているほど。
Yuuki

Yuukiの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

評価の分かれる本作ですが、ドフトエフスキー未読の私でも166分があっという間で見入ってしまいました。カットされまくって不自然な流れになっているのはもうしょうがないことですね。ただ本作は分かる人には分かればいい、という万人ウケを狙っていないんだな、という印象です。
黒澤明の傑作にして珍作。
原作の白痴の青年は26歳だったとか。それを40位の森雅之が演じるのは違和感ありました。白黒の荒い映像でも分かるほど森サマの顔に若作りのメイクを塗りたくってるのがわかります。それでも森サマは出ずっぱりの主人公を完璧に熱演してました。得意の色気ダダ漏れの美中年を封印して、ぶりっ子おじさんになってましたが、それでも本当に良かったです。
恥ずかしながら初原節子で期待してましたが、オーラは凄いけどあまり美しく見えずラストの女の対決では顔芸がすごくて笑いそうになりました。
終始女たちに空気扱いされて「俺は??」という三船敏郎も良かった。
奇妙な4角関係でしたが、最終的には三船敏郎と森雅之がくっつけばうまく収まるのでは?と思ったところ、ふたりの愛が昇華された終わり方のように見え、ああこれはやはり三船と森のラブストーリーだったのか、と思いました。

個人的には東山千栄子に助演女優賞をあげたい。
あとドフトエフスキーの国ロシアでは本作の評価は高いとどこかで読みました。
いぬ

いぬの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

寝ぼけて見たせいなのか
イマイチラスト付近を理解できなかった、、

白痴だったのは私だったわ、、
独り言

独り言の感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

芝居掛かった台詞や人物は鼻に付くものの、そこは黒澤明、飽きずに観させる。
ベソベソ暗くなりそうな話だけどなんかカラッとしてるんだよなぁ…。

久我美子は女性版三船敏郎という感じで如何にも黒澤明好みの画面映えする女優さん。だけど原節子がいいなぁ。
またいつもの人間は変われるのかという人物なんだけど、この人も色々やれてどれも魅力的。
黒マントの装いも美輪明宏の黒蜥蜴みたいだった。
黒澤最大の混迷作。かなり貴重な映画です。「白痴」

予定上映時時間4時間32分。カットされて3時間2分。それでも長すぎると現在の2時間46分。当然黒澤天皇は激怒して「どうせなら縦に切れ」と言ったそうです。
私がプロデューサーなら編集にその筋の鬼とまで謳われた浦岡敬一さんに依頼してここから1時間40分くらいまで短縮を命じたい。

第二部の前半あたりで森雅之が久我美子をひたすら追いかけるくだりは映画的活劇を感じましたが殆どが演劇的俯瞰で支配されております。

恐らくは誇張された伝説と思いますが原作ドストエフスキーへの敬愛のあまり黒澤は重圧から手首まで切ろうとして三船敏郎に寸でのところで止められてそうな。全くこの頃か周囲に手を焼かせるドン・キホーテですw

そもそも何で松竹で撮ったんだろう?そのいきさつが一番興味深いところです。

シェークスピアを大胆なB級犯罪映画に仕立てるオーソンウェルズ(「オーソンウェルズのオセロ」)や軽々と脱構築させるゴダール(「ゴダールのリア王」)更にはブレッソンの「白夜」「ラルジャン」を例に挙げるまでもなく世界的文芸作品映画化は「畏怖」から脱却しなければ絶対に「映画」として拮抗出来ません。

でもやはり無視できない一遍なのは原節子と久我美子という日本映画の宝女優に挟まれ「どっちをとるの?」と山口百恵の(絶体絶命)ばりに詰め寄られる森雅之にひたすら嫉妬する所以ですw

私ならこの瞬間が味わるなら・・・
のぐち

のぐちの感想・評価

4.3
原作のロゴージンに三船敏朗、ナスターシャに原節子という配役が神。
原作を読んでないとわからないだろうなという感じはする。
赤間の家、ラストの赤間と亀田がすばらしい。日本でもロシアでもないような、でもぴったりときて美しい気がする。
ノーカット版が失われてしまったのが残念。
だりあ

だりあの感想・評価

3.8
この作品で、黒澤監督は「男」を描く
術は神がかっているが逆に女性や、
恋模様を描く事は苦手なのだと如実に
感じた。

原節子さんがここまで美しく見えない
役は、小津作品ではありえないと思う。
だがその対比として綾子の亀田への感情は
物語のキモとして見所である。

昭和26年の北海道の風景が
残っているのがフィルムの価値として
極めて高いと思う。
pier

pierの感想・評価

3.8
世の中で真に善良であることは白痴に等しい。
凄まじい経験をした者のみに与えられる特権とでも言うべきものか。

森雅之の存在感が半端ない。
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