ユースケ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

歌って踊れる自称伝説のアウトローのスター・ロード(【ウォンテッド】でタムナスさんの彼女をNTRしたクリス・プラット)
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズのラスボスであるサノスの義娘で凄腕の女暗殺者のガモ―ラ(青から緑へ色変わりしたゾーイ・サルダナ)
頭の中が復讐でいっぱいで冗談も通じない破壊王のドラックス(元プロレスラーのデイヴ・バウティスタ)
武器と戦術に長けた凶悪アライグマのロケット・ラクーン(中の人はイケメンのブラッドリー・クーパー)
「アイ・アム・グルート」の台詞で全てを表現する宇宙木人のグル―ト(中の人は【アイアン・ジャイアント】の声でお馴染みのヴィン・ディーゼル)
MCU第10弾は、かつてマーベル・ユニバースで活躍するも、使い勝手の悪さから居場所を失った5人の半熟ヒーローたちが、宇宙の危機を救うためにホンモノのヒーローへと成長する姿を描いた調子っぱずれのスペースオペラ。

とにかく、1950年代から1960年代のSF映画のようなカラフルな世界観と1970年代のポップ・ミュージックを組み合わせた古くて新しい温故知新な映像が素晴らしい。
【おどるポンポコリン】の元ネタであるRedboneの【Come and Get Your Love】でスター・ロードがノリノリのダンスを決めるオープニングをはじめ、Elvin Bishopの【Fooled Around And Fell In Love】が流れるヘッドフォンをスター・ロードがガモ―ラにかけるロマンティックなシーンやThe Runawaysの【Cherry Bomb】をバックに覚悟を決めた5人がGメン歩きで集合するシーンなど、脚本の時点で選曲し、映像に音楽を合わせるのではなく、音楽に映像を合わせる事によって作り出されたシーンは全て名シーン。
特に、ストーリーと歌詞のシンクロがたまらないラストシーンのMarvin Gaye & Tammi Terrellの【Ain't No Mountain High Enough】からThe Jackson 5の【I Want You Back】への流れはたまりません。「必要な時は呼んで、どんな遠くにいても、名前を呼んでくれた飛んでいくわ」なんて歌われたら泣いちゃうじゃないか。
母親と息子、地球と宇宙、現実とSFを繋ぐアイテムとしてソニーのウォークマンを使うアイデアを持ち込んだジェームズ・ガン監督に敬礼。

更に、リドリー・スコット監督やスタンリー・キューブリック監督との仕事で知られ、アレハンドロ・ホドロフスキー監督をして「リアリズムとセンス・オブ・ワンダーを組み合わせた未来永劫の金細工」と言わしめたクリス・フォスが手掛けた宇宙船のデザインも秀逸。無数のノヴァ・コープス・スターブラスターが陣形を組んで巨大なダーク・アスター号を受け止めるシーンはまさにセンス・オブ・ワンダーです。

ちなみに、コレクター(ベニチオ・デル・トロ)のコレクションとしてカメオ出演している方々は、原作繋がりで登場するロケット・ラクーンと犬猿の仲のコスモ・ザ・スペースドッグ、スペースオペラ繋がりの【スター・ウォーズ】のジョージ・ルーカス監督作品繋がりで登場するハワード・ザ・ダック、そして、ジェームズ・ガン監督作品繋がりで登場するスリザーです。