キヨ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのキヨのレビュー・感想・評価

4.2
〈2014/9/24 TOHOシネマズ日本橋(TCX+Dollby atmos〉
「アベンジャーズ」のマーベル・シネマティック・ユニバースの作品の一つ。予告編やCMから予想したコメディタッチというよりも、王道スペースオペラといった作品だった。

まず、見終わって思ったのが「本家アベンジャーズより面白いじゃん!」とういこと。予告編の時から面白そう、とは思っていたけどどちらかといえばコメディだろうと思って見てみたら想像とだいぶ違った。確かにコメディは主軸だけど、どちらかといえば懐かしい7、80年代の頃のドタバタスペースオペラだった(7、80年代作品ではないが、「ギャラクシー・クエスト」とか思い浮かべればわかると思います笑)
ストーリーは至って単純で、「一癖も二癖もある奴らがある出来事に巻き込まれて、流れで宇宙を救うことになる」というもの。キャラクターもすごく昔のフォーマットに沿ったキャラ(女のグセの悪い主人公、復習に燃える男、ギャグ担当のデカ物・・等)で、とても懐かしい映画を見ているような気分にさせる。ギャグも現代風(笑えるシーンでわかりやすく無音)といったものではなく、軽いギャグに軽いギャグの会話を重ねていくものでテンポよくしらけず飽きさせない。

ストーリーもとても熱くさせるもので、主人公たち含むヒーロー側が団結するところは本当に熱く、説得力がある。比較として「アベンジャーズ」では癖のある奴らが(ある出来事をきっかけにしたとしても)突然団結していた感があり、あまりチームという感じがしなかった。それに比べ、本作では全員当初は敵対関係にあるものの、主人公であるクイルが命懸けでヒロインを助け、己の失態を嘆く復讐者ドラックスを木人間グルートが励まし、めんどくさがりながらもアライグマのロケットがクイルを助けに行くなど、キャラの兼ね合いを重ねることで結束力を演出している。だからこそ、ラストのあのシーンにはすごく説得力もあるし、「お前ら、かっこいいよ!」と思えるシーンになっていると思う。「俺たちは負け犬だ。だけど人生は変えられる。それは宇宙を救う今なんじゃないか?」と主人公が呼びかけ、一致団結した彼らを周りのサブキャラが信用していくシーン(「俺を信用させてみろ」と言ったザンダー星の将校)も合わさり、最終決戦は胸に来るものがある。

主人公が持っているウォークマンの設定を活かした7、80年代の音楽もとてもいい味を出していると思う。特にオープニングとラストは必見。

「アベンジャーズのおまけみたいなものでしょ?」と敬遠せずに、見てみるとマーベル作品の中でも最高レベルの王道作品でいい意味で意表をつかれ楽しめると思う。最近のSF超大作に愛想を尽かしている人も、昔の古き良きSF作品を見るように見れる、安定感のある作品だった。
キヨ

キヨ