このレビューはネタバレを含みます
余りにも露呈された「バーの常連の小人症の女性」「クレアの電話相手」「機械人形」と物語中盤までは、3つの掛け離れてる伏線を回収するのかと思っていたが、見事だった。寧ろ、エンディングで些細な登場人物の仕草や発言が全て伏線回収に繋がっていき、主人公の心の寄り添い方や感情の浮き沈みが激しい部分など、心の開け方が、とても巧妙。
主人公とクレアの恋沙汰、同じ境遇であるからこそ惹かれ合うというのがこの作品のプロットと思っていたが、「女性に対して敬意を払うことが恐怖を抱く」という作中のセリフ、今まで現実世界の女性に対しては目も合わせられなかった主人公はその代わり自分が生涯を賭けて集めた女性絵画を夜な夜な鑑賞することによって、絵画だから女性に敬意を払えることができるという主人公の心理的な状況からビリー以外に自分の絵画の収集それを一切打ち明けないシーンなど、自分の心の土台となってるはず
のシーンを大胆だが、小出しな映し方がとても自然。
もしかしたらお気に入りと言っていたバーに戻ってくるかもしれないという未だに未練が断ち切れない哀愁漂う終わり方はとても好き。
久々に終盤にかけてドキドキと今後の展開に緊張していく映画を見た