Kana

鑑定士と顔のない依頼人のKanaのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
2.0
独身貴族として満たされた生活を送る老人紳士の、心揺さぶる出会いと衝撃の結末が待つミステリー。
どんでん返しの評判を聞いてみましたが、見なきゃよかった…。
正直、物語に感情移入しがちな人にはオススメしません。
映画は映画、ただ展開を楽しめればいいと割り切れる人なら楽しめるかもしれませんが…これ以上はネタバレですね。











最初からおかしいな、なんかあるなと分かりやすくヒントが散らばっていて、こんなにうまくいくわけないと先に進むにつれ不安が膨らみ、それでも読み切れなかった伏線が一気に回収される様はおもしろい。
でも終わり方が悲しすぎる。
心が空っぽにされて…とても個人的な意見ですが…こんなストーリーは嫌だ…。
主人公は多大なる好奇心と分相応な欲望を抱いているだけで、1ミリの悪意も不誠実さも疚しさもなかったにも関わらず、人生をめちゃくちゃにされて全てを奪われた。
しかも奪うだけでなく、わざわざコケにして心まで壊していくという卑劣さ。
何のためにそこまでしたのかわからない。
この映画から何を得られるって言うんだろう…辛い…。

なんとかこのモヤモヤを昇華させる解釈はないかと映画評論サイトを探した結果、最後のシーンには別の解釈があると知りました。
私はてっきり裏切り→プラハ→病院かと思って何の救いもないラストかと思ってしまいましたが、裏切り→病院→プラハなのでは?との記事を読みまして。
ラストを見直すと確かにそうした方が物語の辻褄も合うのです。
贋作の中にも本物が潜んでいる…そう信じて眠ることにします。。。
Kana

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