Mina

鑑定士と顔のない依頼人のMinaのネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

大どんでん返し作品とは全く知らなかったので最後まで全く展開に気づかず。むしろあのまま終わっておいてくれれば、、!と願った珍しい作品。思えばあれもこれも伏線なのに何も疑わずに観てた自分がなんだか間抜け、、きっと完成度が高すぎるということにして自分を慰める。気づいた人すごい。

この作品の主人公に対する感情って結構分かれそうだなという印象。シンプルに可哀想という感想が多数派だと思いたい。でも中にはヴァージルは因果応報だと思う派もある一定数いるんだろうな。

可哀想と思ったひとつの理由が詐欺発覚場面の悪意。ビリーからの悪意は映画的に許容できる範囲だった(心情は理解できないけど『君さえ認めてくれれば画家として成功できたのに』という恨みは人生懸けて恨んできたイメージがつくから)。許せないのがただの窃盗犯の偽クレアとロバートの悪意よ。個人的な恨みはないだろうに(あったとしても描写がない)、悪意全開の偽オートマタに吹き込まれた『いかなる贋作の中にも必ず本物が潜む』という神経逆撫でに効果覿面な台詞。お前らにヴァージルの心を壊すまでの権利ないわ!と思いました、、溜め息出る、、。せめて時間軸的に庶民派な老人ホームで脱け殻になったヴァージルが最後でなく、プラハのナイト&デイのヴァージルが最後であってほしいなあ。だからといって何も救われないのだけど、、。

後味は哀しいけど最近では一番展開に驚かされたし、興奮もしたし、久々にレビューも文量多くなったし、いい映画でした。と思ったら監督ニュー・シネマ・パラダイスのジュゼッペ・トルナトーレじゃん!!
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