『ライアーゲーム』や『カイジ』のようなゲームの心理戦よりも生き残り処世術に特化したのが本作。両方あればもっと人気が出たとおもう。
人狼ゲームの世界で村人が生き残るには、まず村人である人間が人狼である人間を殺すこと、つまり喰われる側から喰う側へと変貌を遂げる必要がある。
そして、それはあたかも現実の世界もそうであると作中で述べられている。
我々の現実の世界も人狼ゲームのように残酷であり、そのような世界で生き残るには喰う側に回らなければならない。
言い換えると、我々は全員人狼である。だから、全員残酷に殺されるのである。
だから、人狼ゲームは殺されるまで続くのだ。
冒頭で、桜庭みなみは少年らが虫で遊んでいることについて注意する。しかし、この世界では喰われる側に立つことは偽善であり、所詮人間の皮を被った人狼でしかない。それゆえ、彼女は人狼ゲームに選ばれたんだとおもう。そんな彼女も終盤になると人狼の本性を表す。ゲームの人狼である仲野大賀からの好意を利用し、自らの生存を担保させた(唐突のキス発言は違和感しかない)。翌日、躊躇なく仲野大賀を殺そとするのワロタ。