キヨ

人狼ゲームのキヨのレビュー・感想・評価

人狼ゲーム(2013年製作の映画)
3.3
<2014/9/12 dビデオ>
最近初めて人狼ゲームをやってみて面白かったので、興味本位で見てみた作品。
リアル人狼ゲームに参加させられる、いわゆる不条理系サスペンス。

この映画の最大の特徴は、「ゲーム脱落=死」ということ。「ゲーム敗退=死」じゃないため、例えば初回ターン、役職(今作では預言者が登場)を追放しないように、市民が犠牲になる、という戦法が使えない。また、預言者も味方の推理に任せて人狼告発をするのもかなり躊躇することになる(普通のゲームなら自分を犠牲に次のターンで市民勝利でも、今作は自分がリアルに狙われるため)
そのため、普通の人狼とは違う読み合いが発生しそうな設定で面白い。

ただ、普通とは違う設定にも関わらず、いたって定石通りに推理して終わってしまったのは残念。
せっかくある種の役職でいう「狂人」になり得る人がいるのだから、市民側なのに人狼に味方したりとか定石崩しがあってもいいと思う。
また、「殺す(追放)するのは参加者自身で行う」という設定があるから、役職の「霊媒師」を出して、市民を間違って追放→「あの人市民でした……」とみんなで後悔、とか人間ドラマも発展できたんじゃないと思う。

人狼知ってる人のほうが楽しめるが、できればもっと映画の設定を生かした心理戦をいれたほうが面白くなったと思える、惜しい作品。
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