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鉄くず拾いの物語のMSTYのレビュー・感想・評価

鉄くず拾いの物語(2013年製作の映画)
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ボスニア・ヘルツェゴビナ映画。ボスニア・ヘルツェゴビナのある村で暮らし、拾った鉄くずを売ることで収入を得ているロマの一家を中心に描いた作品です。この映画は、一家の生活を淡々と描いているぶん、社会的弱者が弱者たる所以は制度の問題にあるのだというのを伝えてくれます。

ボスニア・ヘルツェゴビナという国は、多くの日本人にとってはなじみのない国かもしれないですが、遠くの国の人であってもどこかで必ず繋がっているので、「完全に」無縁な国であるとは言いがたいかなと思います。もちろん、ここで描かれている問題を、多くの日本人が身近な問題としてはなかなか捉えられないだろうとも思います。しかし、自分の知らない他者についての具体的な状況を知ることで、他者に対する想像力を養うことはできますし、そのような想像力を持っていること自体は重要なことです。自分にとってこの作品は、そうした形の想像力を鍛えさせてくれるものでした。
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