ブラウンソースハンバーグ師匠

なみのこえ 気仙沼のブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

なみのこえ 気仙沼(2013年製作の映画)
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最後の夫婦間で語る身体によって生まれる、自分の既知ではない領域から言葉が出てしまった感じ。ああいう瞬間を捕らえたい野心はもちろんあったと思う。撮る/撮られるの磁場によって、悪い言い方をすれば、その磁場の暴力性によって引き出さざるを得ないことだったのだろう。
奥さんが「しゃべった方だよ」と言う。本当だよ。よくしゃべった。
旦那さんの方が涙してしまうところは、旦那さんの詳細が分からないだけに、のし掛かるものがあった。
反対に、それが最後のシークエンスだったこともあり、オチのように出来すぎているとも思った。
カメラの種明かしについては、会話の純度の高さという点で、編集で繋いで連続的に見せるというのはどうなのだろう。面白いけど、その「嘘」は手放しで評価していいものだろうか。その会話の反復も込みで見せる必要があったんじゃないかとモヤモヤ……