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魔女の宅急便のbluetokyoのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(2014年製作の映画)
1.4
つまらないこと、というのに付け加えるとすれば、長いということだ。ただ、面白くしようとして、実力及ばず、つまらなくなったということでもない。つまらなくてもいい、ということでつまらないのかもしれない。それに反して、たぶん、原作は面白いと思う。読んだことはないけど。さらに、宮崎駿のアニメも面白いと言えるかもしれない。実は、以前、アニメ版は見ているのだが、そのときはそれほど面白いとは思わなかった。今回の実写版を見て、それは贅沢なのだと思い知らされた。いかに、宮崎駿のアニメが優れているのか再確認してしまったからだ。では、それにもかかわらず、なぜ、この実写版が存在するのだろう。ということで、あらためて、宮崎駿版のアニメを見ようと思ったが、面倒なので、とりあえず、ネットの予告にした。予告を見ただけで、いかに、実写版に比べ、アニメ版が精緻に作られているか、わかるわけだが、ここで、実写版のある奇妙さの出所が判明した。パン屋の主人が不自然にしゃべらないで動き回っているという奇妙さである。そう、アニメ版では、パン屋の主人は寡黙という設定なのだ。もちろん、精緻に作られているので、アニメ版ではまったく不自然ではない。さらに言えば、たとえば、高倉健さんのような、台詞以外でも正確な演技のできる俳優なら、うまく、再現できた可能性もある。ところが、実写版では、そのしゃべらなさが、コミカルなまでに不自然なのだ。つまり、パン屋の主人は、アニメ版のパン屋の主人を無理やりに真似ているのである。映画世界の中で、そういう設定なのだ。パン屋ばかりではなく、映画世界のすべてがそうなのだろう。まるで、古代宗教のように宮崎駿のアニメ版を意識の中に入れて、生活しているのである。だからこそ、主人公に限らないけど、主人公の肉体が余計に生々しくて、瑞々しいのだ。小芝風花さんが光るわけだ。とすると、演劇の舞台というのは面白いのかもしれない。実写版の映画は、純粋につまらないので、点数は低くしてあります。
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