セガール幹事長代理

魔女の宅急便のセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(2014年製作の映画)
2.0
魔女初心者のキキが魔女の居ない町で1年間武者修行する話。

ゆるめのミッドサマーぐらい町民がやばい。

ぱっと思い付く限り、
・泊まるところが無くて動物園の飼育小屋に野宿してたらぶちギレて押し倒そうとする飼育員(新井H史)。
・「その飛行機みせてよ」と言われ突然ぶちギレて突き飛ばす怒りの沸点低すぎ鳥人間。
・ホウキを引ったくった子供を咎めず、逆に被害者を叱責する大人。
・ホウキを股に挟んで妙な鼻唄を口ずさむ常時前屈みのパン屋の主人。
・ボロボロになって絶望しているところに、「辛いときこそ働くんだよ!」という言葉をかけるブラック企業思考のパン屋女将。

と、枚挙にいとまがない。

肝心のキキはキキで、宅急便なのに依頼物を結構な頻度で落としたりぶつけたりする始末。
ウーバーイーツなら光の速さで2ちゃんか爆サイに悪口を書かれるだろう。

嫉妬、畏怖、単純な人種差別等、キキを取り巻く人が胸に抱えるものは様々だが、前述例の通り、町民から魔女への認識が『嫌悪』を越えて『迫害』のステージまで進んでいるので髭爺製作のアニメ版の様な明るさは無く、キキだけでなく観てるこっちまでPTSDになりそうだった。

翻って、本作を描く上での『魔女への認識』の解釈は個人的に結構アリなので、無理矢理お涙頂戴モノにした部分を削除し、出来の悪い動物のCGをどうにかして、徹底したダーク路線を貫けば『新説』として撮り直せる可能性が十分にあるだろう。

非常にどうでもいい話だが、キキの武者修行初日~飼育小屋野宿まで(映像観る限り)最低3日あり、その間入浴してないので、彼女の抱える身体の痒みは臨界点に到達しているはずだが、その描写がない。
これは長いこと風呂に入らなかった経験がある人にしかわからない事だが、入浴をしないまま7~10日を越えると、梅毒と一緒で症状が一旦治まるのである。
つまり彼女は最低7日は身体洗ってないのである。
明日仕事だけどシャンプーとドライヤーめんどくさいなあ、って日は自分を甘やかしてもいいんじゃないかなと思った。