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魔女の宅急便のまるまるのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(2014年製作の映画)
3.3
huluでラインアップされてたので。
原作1、2巻を映画にしたのだそうです。
原作者の角野栄子がナレーションで、カメオ出演もしてるとのこと。
ジブリ版が好きだったので、原作クラッシャーとしての呼び声も高い宮崎駿監督が、何を足して何を引いたのか興味が湧いて鑑賞しました。


旅立ちの時。
心躍るタイトルシーケンス。
ここで荒井由実「あんのーひーとのーママに会うために~♪」が来ないところに、どうしても物足りなさを感じてしまうのは、ジブリ版をアホ程観たからですw

それからどう見ても、日本が舞台っぽいのも、ぬーと頭を抱えたところ。
瀬戸内海?ぬー。
植生が日本。平たい顔が日本。文字が建物が瓦屋根が電信柱が温泉マークが日本。
ウィキペディアによると、日本ではないが日本っぽい所とのことです。
小さな漁港に立ってる市が、街なかで見るようなカラフルな普段着を着た人たちがひしめきあってるなか、ビーチパラソル(ぬー)を日よけ(になってないしw)に、いかにも急ごしらえで馴染まない売台(ぬー)に、生魚とか果物とか、客の動線まるで考えてない露店の配置で、賑わってる風なんだけど、皆一様に上空飛んでるキキを見上げてるだけで、モノを売り買いしてる感じがまるでないわ、表情とかも皆同じだわ、やる気もあんまないわ、とにかく違和感ありまくりw
もうちょっと、考えた方がよかったんでないかい?

元が童話だからなのか、登場人物のリアクションが皆ピーキーだわ、話が無茶だわ、飼育員が心底ムカつくわw
実写映画で寓話は、ちとキツイ;^^)

とか言いながら、ラストに荒井由実「メーッセージー♪」と、あの名手紙が無い、どころか、〇〇てたってオチでも、別に物足りなさや怒りを感じなかったのは、これはこれでよかったからです(^^)/


宮崎版にあって、こっちになかったもの。
〇旅立ちの日。シリアスな顔で「決めたわ」から気丈に振舞うキキ。
〇心細くも自由な、貨車での一晩。
〇見知らぬ先輩魔法使いとの遭遇。
〇警官に怒られて、都会の洗礼を受けるキキ。
〇ジジと言葉が通じなくなるくだり。
〇オシャレな友人に囲まれてる垢ぬけたトンボ。
 こっちのトンボは、少し粗暴な飛行オタク。
〇ニシンパイのお婆ちゃんと、大きな犬の家。
 こっちはクリーニングのおばちゃんと、
 友達関係がこじれてるサキちゃんと、
 歌えなくなった歌手。
〇絵描きのウルスラ。
〇片渕須直が発案したという飛行船の事件。
 こっちは、傷を負ったカバを、嵐の中、獣医に届ける。

共に、門出から自立までのお話だと思うのですが、
ジブリ版では、巣立ちのプレッシャー、田舎者のコンプレックス、楽園子どもの世界からの追放、血縁以外の親・兄弟、身に染みる人の情け、リアルなスランプ描写が加味され、さらに瑞々しい血の通った青春ファンタジーに仕立ててるって感じでしょうか。

こっちにあって、宮崎版になかったもの。
謂れのない風評被害。
実はみんなが魔法使い。
自覚がないだけで、君も実は魔法使い。
気持が扉を開くのさ的メッセージ。
それと、さすが「呪怨」の監督と唸らせる、磨りガラス越しのパン屋の主人w

こっちはこっちでよかったです(^^)/


こんなの教えてもらいましたw
http://comip.jp/spinel/cbs/c1171/c118-1193/
まさにこのとおりw
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