ゆき

レッド・ファミリーのゆきのレビュー・感想・評価

レッド・ファミリー(2013年製作の映画)
3.8
幸せの基準値

偽りの充実感を繕うのは案外容易い。
隣の芝生は青く見えるというが、昼夜問わず些細なことで声を荒げる隣人には羨むことはない。階級に準じた偽家族は例外に。
辛辣な家庭とは知らず、ズケズケと入り込めるのもまた特異。
異質な家族同士がぶつかって、少し緩んだ時間はごくわずか。
鋭い言葉の矢が飛び交うのだけれど、ラフな喧嘩がこう使われるとは思わなかった。
祖国への忠誠と真の愛情を天秤にかけてみて気付く、原動力は幻だと。
明るい話ではない。対話の意味を見せつけられる一作。

***
「家族」を演じ、祖国からの命令を遵守する北朝鮮工作員チーム・ツツジ班。資本主義の隣人をバカにしながらも、交流する中で少しずつ心を動かされていく。
ゆき

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