このレビューはネタバレを含みます
備忘録
殆ど事前情報無しで視聴。
最初2〜30分くらい何をやっているのか一切分からなかったが、途中から物語の核心が明らかになり話の内容がスルスル理解できていったのが気持ちよかった。
建築物が破壊されていくド派手な絵が好きで、飽きずに観ることができた。
三半規管が弱い自分が悪いのだが、市街戦のあたりはアップ画面で揺れるシーンの切り替わりが連続して画面酔いしてしまった。
キリアンマーフィーの神経質そうな雰囲気は相変わらず好きだなと感じた。(バッドマン・ビギンズのスケアクロウも良かったな……)
父との確執が金庫を開けて解けるシーンも、親に認めてもらいたい幼い子供の感情や父を超えるという覚悟がないまぜになったような表情に心を揺さぶられた。
この物語において訴えたい部分がそこではないのはわかっているが、それでも見入ってしまった。
冒頭と終盤(コブとサイトーが出会うシーン)が繋がった時が一番エキサイトした。
が、そのシーンから“どこからどこまでが夢で現実なのか”が分からなくなり「もしかして初めから全部夢だったのではないか?」と混乱してしまった。
コブが自身が夢だと理解している夢の中で、子供の顔を見られなかったのはそれを見てしまったら夢の中から抜け出せなくなる(抜け出したくなくなる)からだと考えたが、もし最後のシーンのコマが回り続けていたとしたらきっともうコブは夢から抜け出すことはできないんだろうなと思ってしまい恐怖を感じた。
ラストのシーンでコマが回り続けるのかどうかの判断を視聴者に一任するような演出は、この混乱こそが製作者の狙いだったのか?と考えてしまい、物語の緻密さに震えた。
本当に結局どこからどこまでが夢だったんだろう……
SF超大作と名高いのも頷ける作品だった。
2024年に監督の最新作『オッペンハイマー』が日本でも公開されると聞いた。
原爆の父と言われた物理学者の伝記物とのこと。
原爆と聞くと遠い昔小学生の頃に授業の一環として見せられた白黒の映像が脳裏に過ぎり、若干トラウマっぽい感覚があるが、主人公を演じるのがキリアンマーフィーとのこともあり、こちらもチェックしたいと思う。