みんなの高倉的存在

アクト・オブ・キリングのみんなの高倉的存在のレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
3.9
ドキュメンタリーとして扱う対象はとても衝撃的で、一部映画的な表現も含めながら、その衝撃を強く照らしていた。しかしこの作品は問題だけを真正面から捉えたにとどまり、密着撮影した彼らの心の側面や歴史的背景の叙述にはもっと他のうまいアプローチがあったように思えて仕方が無い。ドキュメンタリー作品としてどこまで説明を加えるかは深く考えなければならないことと思う。先に述べたように、この作品は映画に歩み寄っている面も見受けられたので、この一見不十分と見える加筆も狙ったものなのかもしれない。しかし、でも、やはり、扱う内容が重いだけに、もう一歩踏み込んだ描写を期待してしまう物足りなさを感じた。