にょこ

ホドロフスキーのDUNEのにょこのネタバレレビュー・内容・結末

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなに楽しそうに話している人の映画なら何だってみたいと思うわ。
まずそこから入り込める。
この人の、『映画が好きだ』という強い気持ちが伝わる。

DUNEは自分にしかできないし、自分のイメージ通りのものを作るための仲間集めから始まる。その徹底ぶり。

またその仲間達が強烈。
ダリて…ギーガーまで。
そっか、エイリアンの人も…とここら辺で気づく。
私はDUNEを、知らなかったけど見ていたのかーと。
最後に、『DUNEはポールと同じだ』という台詞があるのがまさにそれで。

私は今まで見たきた大好きなSF映画の多くはDUNEの絵コンテを活かしてつくられたのだから。泣けてくる。

制作側との対立は映画界では良くありそうな話ですが、、
1から分厚い絵コンテに至るところまで創り上げてきた人に対する仕打ちなんだろうか。

それにしても12時間映画か…いや絶対観るけども。
仮に6作品として、今はよくあるし。
と、現代に生きてる私は言えちゃうけど、当時は難しかったのかな。
『他人の意見を聞いて変えるのはダメだ』とはっきりビシッと言うところもカッコ良かった。
その後のニコラス・w・フレンの言うようにハリウッドはホドロフスキーさんを恐れたのは間違いない。
恐れるのも当たり前と言っちゃ当たり前で。 
芸術と利益の一致は難しい。
けど、観たかったなー。ホドロフスキーのDUNE。
ほんとこのドキュメンタリーを見て色々感銘を受ける。けど、観たかった、まずこれに尽きる。


デヴィッドリンチ版を観に行った時の話のホドロフスキーさんも面白かった。
戦士なら見るべきと言った息子さんもなかなかだけど。
『ショックで死にそうだから見る気はなかったけど…みるみるうちに元気になった。才能あるリンチがこんな酷い作品を作るはずがない、製作者のせいだ』
ここ笑っちゃったけど、この作り手の信頼が凄い。

笑顔で話していた時とは違う眉間に皺を寄せた表情で
『このシステムは我々を奴隷に変えてしまう、尊厳も深い感情も奪ってしまう。ポケットの中の悪魔にはなんの意味もない。
映画とは心だ、精神もある、無限の力も。大きな志もだ。そういう映画を作りたかっただけだ。』
こう言うんですよね…
私はDUNEの絵コンテに影響された作品で映画にどれだけ救われたか。
どれだけ人生が豊かになったか。
どれだけ勇気をもらえたか。

さらに
『それでも自分の死後でもこの脚本でDUNEを撮ればいい。私が死んでも映画は作れる。
自分は創作を続ける。できる限り大きな志を持つ、失敗しても構わない。』

この器の広さに、DUNEのことが知りたくて見たはずなのに、もうすっかりホドロフスキーの虜に。
ホドロフスキー監督作品にも興味が出てきました。

これを知りながらDUNEを撮るプレッシャーたるや。
ドゥニ監督の挑戦、素晴らしいと思います。
ホドロフスキーは観てると思うけど、、どんな感想だろう…

パート2見る前に若干ネタバレしちゃうけど、このドキュメンタリーは観れてよかった。
良い作品、良い映画人を知ることができました。
にょこ

にょこ