ちろる

ホドロフスキーのDUNEのちろるのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.3
これ観たらホドロフスキー苦手な人はでもきっと好きに、ホドロフスキー好きの人は彼のこともっと好きになる。変人芸術家かと思いきや無邪気な少年のような素顔が観れてこちら側がエネルギー湧きまくるから不思議。
かつて、ホドロフスキーが作るはずだった幻の映画「DUNE」の話が紆余曲折を経て頓挫するまでの秘話をホドロフスキー本人が語るドキュメンタリー。
思えば、こんな風に実現しなかった映画作品について描いたドキュメンタリーなんて初めて観た。
あまりにホドロフスキーが少年のように嬉しそうにDUNEの夢について話すし、時折出てくる絵コンテが具体的であまりに素晴らしいものだから、こっちまでワクワクして一緒ににやけてしまう。
夢を本気で実現しようとすると本当に不思議なことにその照準に合わせて人が集まってくる。
サルバトーレ ダリ、H.R ギーガー、ミック ジャガー、オーソン ウェルズ
この作品を作るにあたって出演や協力をこじつけられたとんでもない人たちとの交渉秘話が実に面白い。
ダリとの会話なんて芸術家らしくオシャレなウィットに富んでいて多分一生忘れない。

エイリアンも、ブレードランナーもマトリックスも生まれなかった。
必死に想いを込めてやつまてきたものはそれが望む形ではなかったとしてもゼロになったわけではない。
希望に満ちた目で自分の作り上げたDUNEが永遠に死なないと信じるホドロフスキーにこちらが虜になった。
ホドロフスキーの作品まだ何も観てないって人も映画好きならワクワクするはずなのでおススメです。
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