菩薩

パラダイス 希望の菩薩のレビュー・感想・評価

パラダイス 希望(2012年製作の映画)
4.7
おそらくこの監督は相当デブ嫌いなんだろうな。気が合いそうだ。かくいう私もデブにはメタボ税かけろって思うくらい痩せる気もないデブは嫌いだ。人より多くの飯を喰らい肥大化した上に、人より多くの面積を占め、多くの医療費をかけるなんてどう考えても図々しい。それできっと夢とか希望も嫌いなんだろう。ますます気が合いそうだ。

夢であったり希望であったりというものは、各々それを持つに値するかは各人のそれまでの生き様や努力があってこそのもので、この映画の場合、主人公のデブの女の子が年上の医師に恋心を抱き見事に散る訳だが、そもそも、ダイエット合宿に来ているのに、連日飲めや騒げやしておいて痩せる気も無いのだから、そんな希望を抱く資格も無いのである。途中、私がデブだから?と疑問を持つ場面もあるが、すぐさまデブの女友達がそれを否定する。ああいう傷の舐め合いは本当によくないと思う。客観的に自分を捉える事のできない人間が叶うはずもない希望を抱くから、その分絶望を味わうのだ。自業自得である。先日、ダルビッシュ有が「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ。」と呟いていたが、これまさに正論なのである。夢や希望を持ちたいのであれば、正しい方向に正しい手段で努力を積み重ねていく必要がある。それを教えずに、ただ夢を持てとだけ宣う大人は本当に危ない。

パラダイス三部作、どれも全然パラダイスじゃなくて本当に面白かった。素晴らしいタイトル詐欺である。
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