凡々

トム・アット・ザ・ファームの凡々のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

初ドラン



緩急の付け方はバッチリ。

こだわりや工夫を感じられる撮影。

良い具合に小さな所で毎回毎回観客の予想を裏切る。

説明が少ない展開なのに、自然と流れに運ばれてゆく。

映像の説得力が半端ない。

カメラと役者の距離の近さが好ましい。

間の使い方も観ていて心地良いし、

少し気取った言葉もいい。

80年代にいそうな感じのドランの髪型もいい。

内面の孤独の世界と外面の表面的な世界のバランスもよく、それぞれのシーンには観客に想像の余地を残す。

誰かが話せば
誰もその話を切る事はなく、最後まで聞く。

確かにグザヴィエドランのセンスは卓越したものを感じる。
かなりの優等生。次の展開が気になる為のセオリーがふんだんに盛り込まれている。

ゲイな描写も好ましい。沈黙の雰囲気も
ガスヴァンサントを彷彿とさせる。

現代の若者に響くだろうな。
歴代の巨匠が持つメッセージ性に近いものを感じる。
過去に自分がホドロフスキーのサンタサングレを観た時に感じた執着からの解放。
普段そこにあるものに対して懐疑的になる
己とは何か を問い質すような。

自己解放な一本。
そこにセンスがくっついている。

すき焼きをした後の鍋に
お餅を入れて 出してみたら肉もネギも白滝も餅についてるお得感(例えに無茶あるか

己に対する無価値感の中
農場を通して生活 生死 己の価値を見出す。
そしてそこから自己の道を歩み出す。

ハネケのピアニストにも通ずる。

信号が青色になって終わる。
希望だ。

オープニングとエンディングの音楽と淡々とした雰囲気は最高だった。
オープニングに至っては2回観てしまった。

後半の展開が少しだらけていて、そこが唯一であり割と問題点。

卓越したセンスで評価を少し上げるに至る。

解説を見ると小物や衣装にも意味が散りばめられているらしく、
見れば見るほど味わい深い楽しみがありますね。
でもこれ観てて疲れます。