グザヴィエ・ドランが同名戯曲を映画化したサスペンスドラマ。
性的マイノリティへの偏見と言うテーマをミステリータッチで描く。
保守的な田舎町でジリッジリッと描かれる危うい人間関係が怖くて美しくてヒリヒリする。
相変わらず壊れそうなくらいの繊細さで描く狂気に満ちた愛の物語だった。
先ずは小出しに小出しに状況が見えてくる感覚にワクワクする。
奇をてらわない演出にはセンスを感じる。
今作では視覚を刺激するびっくりする様な映像より、フレーム操作が印象的だった。
むしろトーンを落とした映像が見事に心情にリンクしてる。
少しずつ度が過ぎてる、兄弟、母子、恋人間の愛のカタチ。緊張感漂うダンスシーンは圧巻だった。そして本気の殴り合い、本気の愛… 全てに引き込まれた。
音楽センスはもはや安心感すら。全く裏切られる気がしない。
因みに「世界一の映画作曲家に依頼したい」と熱望した『ベティ・ブルー』のガブリエル・ヤレドによるオリジナルスコアとのこと。
そしてそして、いや~ 締め方もニクイ!!