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ドラッグ・ウォー 毒戦のyaaaのレビュー・感想・評価

ドラッグ・ウォー 毒戦(2012年製作の映画)
4.0
そして誰もいなくなった…
使い古された哀愁漂う文がこれほど似合うってか、そのまんまやないか!
中国を舞台に麻薬組織壊滅のため、寝る時間も惜しんでフル稼働する警部と密告者との闘い。
ジョニー・トーといえばジャンル映画の中で、こんなの成立するか!?っていうシーンを見事に映画的に仕上げてアメージングを魅せつけてくれてるが、今回は作品自体がそれ。
ジャンル映画なんで他との差異の為、なぜ警部はあれほど潜入捜査で芸達者なのかとか、敵対する男同士の通ずる想いとか入れ込んでそれをトー印の演出でアメージングを魅せるが今回は無い。

ぶっとい葉巻をふかしながら、台本の上記のようなシーンに大きくバッテン書くとか、ページを破り捨て
「もうこんなの見飽きた。わかりきっとるねん。いらん。いらん!」
「あっ!ラム・シューだけは削らないよ。」
と笑っている顔が妄想される。
残ったものはドタバタに近いものだけだが、お前らコレだけが見たいんやろとシンプル。トーには上から目線が相応しい。
でいて香港基準でなく世界基準の映画が出来上がる。
乾ききった毒の大陸を思わす実景の中、いつ爆発するかわからない爆弾の導火線のようにふらふら走り続けるトラックが緊張感を煽る。

おもしろいとかおもしろくないとかこちらが判断するんでなくて、魅せて頂く感じです。
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