月額が高いから元を取ろうとNetflixを徘徊する事が多いけど、たまにはAmazonプライムビデオをぷらぷらとお散歩。
おや?知らない映画。
マシュー・マコノヒー、タイ・シェリダンとキャスティングに惹かれて鑑賞。
こ、こ、これは、良い映画だーー!!
後から知ったけど、第65回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でパルム・ドールを争ったとの事。
むむむ、納得。
アーカンソーの川岸で、ボートハウスに両親と暮らす14歳の少年エリス(タイ・シェリダン)。親友のネックボーンとミシシッピ川の島で出会った男。マッドと名乗るその男(マシュー・マコノヒー)は、人目を避け、森で暮らしていた。ある者達に追われ、街に出る事が出来ないマッドを不憫に思い、彼に協力する少年達。やがて、彼らの運命は抗えない大きな渦に呑まれてしまう。
白いシャツから覗く右腕には蛇のタトゥー。
拳銃を持ってはいたが、何故か恐ろしくはなかった。
マッドが求めたのは食糧。
そして、ジュニパー(リース・ウィザースプーン)という女性を待っていると言う。
愛し合う彼らの為にと協力を惜しまないエリス。
やがてマッドとエリスは互いに心を通わせる様になる。
嗚呼、歳の離れた友情を描く物語が好きだ!!
そして何より少年達のその姿に「スタンド・バイ・ミー」を重ねてしまう。
ネックボーンの髪型とか、ありし日のリヴァーじゃないか!!
物語の核心に触れるので行間空けます。
殺人犯として追われる身であるマッド。彼の遣いとして奔走するエリスとネックボーンはかなり危ない橋を渡る事になる。
その中でエリスが経験する、人生における不条理。
初恋、失恋。
そして、両親の離婚話。
ボートハウスは解体され、街での暮らしを余儀なくされてしまうかも知れない、そんな将来への不安。
愛し合う男女は何があっても諦めないんじゃないのか。
愛し合うってそういう事じゃないのか。
愛というものがわかりかけているのに、わからない。
エリスの心が掻き乱される。
心の中が無茶苦茶になって、その感情の昂(たかぶ)りをマッドにぶつける少年。
そして、「蛇」と「狙撃手」にまつわる伏線回収が見事な、怒涛の終盤の展開に目が離せない。自らの危険を顧みず、少年を救おうとするマッドよ。泣ける!!
マッドとエリス、そしてマッドとトム・ブランケンシップ(エリスの家の対岸に住む老人)のそれぞれが擬似親子として描かれている点がまた素晴らしい。
トムが、マッドに対して「Come on,son」と呼び掛けているのに、字幕ではマッドとしか訳されないんだよなぁ。これが日本語の限界。「息子よ」と訳すには直接的過ぎるし。それでも、トムがどれだけ毛嫌いしている様に見えても、彼を息子同然に思っていた事が見て取れ、物語に深みを与えている。
終盤の大きなうねりが、観ている者の感情を掻き立てる。
まだ幼さを残すタイ・シェリダンの演技もまた素晴らしい。
胸が震える終盤こそが見所。
おススメです!!