にこ

白ゆき姫殺人事件のにこのレビュー・感想・評価

白ゆき姫殺人事件(2014年製作の映画)
3.8
湊かなえ原作というのは、どうしようもなく不穏な空気をかもしだすな。
なんか見終わった後いい気持ちにはならないというかね。

一人の美女がめった刺しにされ火をつけられる残忍な殺害方法で殺される。
その容疑者に浮上したのが城野美姫。
Twitter中毒の最低な報道見習いが安易なことをTwitterに呟きまくったためにネット上では小さな火花からどんどんと火が広がっていく様にのせて描かれていく。
それに踊らされるメディアだったりと現代のメディア社会への警告を鳴らしている風に作られてるけど、それよりも、関係者や目撃者の証言の曖昧さや視点の違いによってその人の中で感じている事実というのは必ずしも他人からみたら事実ではなかったり、思い込みで事実を捻じ曲げて記憶してしまっていることであったりと、人の証言がいかに当てにならないかを訴えているように思えた。

最近ハマってるケーブルTVの脳科学の番組とかで、人の見るものや記憶構造は脳の思考回路の短縮であったり、処理しきれないことは省いて記憶していたり、ありもしない事実とを結びつけて理由づけしようとすることがあるらしい。
これは、私たちの見ている世界が脳によって映し出された虚実空間である可能性がある、ということなんだよね。面白いよね。

映画のストーリー的に、みんな城野美姫が犯人でなく、では誰が真犯人なんだ??というところでハラハラするだろうけど、
私的に、その裏で真犯人のことを逆に誘導して犯行させたのが城野美姫だった、とかだったら
うわぁさすが湊かなえ…笑
ってなったんだけどなー
にこ

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