Ryoko

NOのRyokoのレビュー・感想・評価

NO(2012年製作の映画)
3.8
1988年チリ。
独裁政権へYESかNOかの審判を下す国民投票が行われることに。
NO陣営のCM制作を担当することになった広告マン(ガエル ガルシア ベルナル)が主人公。

政治について思考するのがわりと好きなので、こういう政変を描いた映画は興味深いです。

主人公は、最初はあまり乗り気ではないものの政治犯として捕まり酷い扱いを受ける妻を目の当たりにしたり、政権側からの妨害が子供にまで及んだことで、だんだんと使命感が強まっていく。
80年代感を強く感じさせる荒い映像や実際の映像をふんだんに取り入れていたのも良かった。

好きなシーンはラスト。
あまり感情を表にしない主人公が子供を抱きながら静かに喜びの表情を浮かべるところ。ああ上手いと思った。

メディアの役割についても考えさせられました。メディアの影響力って功罪ともにあると思うけど、特に最近の日本のメディアには罪の方を強く感じる。
受けとる側のこちらはどうあるべきか、発信される情報を鵜呑みにしたり、発せられたメッセージに踊らされているだけではダメだな、感じました。

※同じくチリが舞台で、軍部が独裁政治を敷くことになったクーデターを描いた映画「ミッシング」もお勧めです。
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