イチロヲ

壇の浦夜枕合戦記のイチロヲのレビュー・感想・評価

壇の浦夜枕合戦記(1977年製作の映画)
3.5
壇の浦の合戦で入水に失敗した建礼門院(渡辺とく子)が、源義経(風間杜夫)の求愛行動に苦しめられる。淫婦の疼きに葛藤する貴女が裏返るまでを描いている、日活ロマンポルノ。頼山陽の猥褻文学「壇の浦夜合戦」を原作に取っている。

「水の中から引き上げられた建礼門院(=平清盛の娘=安徳天皇の母)が、密かに源義経と姦淫していた」という、史実かどうか分からない逸話を映像化。女官と源氏の乱交劇が描かれており、「皇室の下半身模様」というタブーに挑戦している。

渡辺とく子の堂に入った貴女ぶりと、風間杜夫(実は地井武男の代役)の白痴的な人物設定が魅力満点。部下の丹古母鬼馬二と一緒に「陛下に手を出すのは、さすがにヤバくね?」と逡巡する展開に大笑いすることができる。

性的欲動を覚えてからの「これが生きることなのですね!」は、すべてのロマンポルノに通じる普遍的メッセージ。人生に悲嘆したら、とりあえずセックス。セックスは妙薬なり。
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