マイ・マザーの後、ぶっ続けでグザヴィエ・ドラン作品を。
余談だけどグザヴィエってXから始まる綴りのファーストネームとかカッコイイなぁー。天は何物与えてるんだよ…。名前までカッコイイよ。
冒頭、様々な男女が語る恋愛観。
異性愛も同性愛も含めて。恋愛あるある話。
言葉選びが絶妙でここでまた引き込まれる。
同性愛者であるフランシス(グザヴィエ・ドラン)が恋に落ちたのは、女友達マリー(モニア・ショクリ)も好意を寄せるニコラ(ニールス・シュナイダー)。彼等の奇妙な三角関係を描く。
前作に続き監督、脚本、製作、主演はグザヴィエ・ドラン。これまで3作鑑賞したが、卓越した画と音と言葉のセンスは毎回素晴らし過ぎて舌を巻く。
そして、不穏な空気、上滑りの会話…。
何せうまくいっていない関係性を描かせたらこの人はピカイチ。
本作においてフランシスとマリーは恋敵なので、ニコラがマリーとハグをすれば、フランシスは目を逸らし、ニコラが彼とハグをすれば、マリーの表情は強張る。このザラつき具合が凄い。わかる!こんな三角関係の経験はありませんけど。
この映画の面白さはフランシスとマリーの対比。
構図が面白い。
冒頭のシーン。
ニコラと知り合う前までのフランシスとマリーは背中越しにふたり並んで映されている。共に同じ方向を向いている。
しかし、共に恋心を抱いた後はフランシスとマリーは交互に対比して描かれ、共に向かい合って対立する構図で映される。
そして終盤。
また肩を並べて同じ方向に歩き出すふたり。雨で濡れているフランシスを自分の傘の中にそっと入れてあげるマリー。いいコンビやわ、この人達。
このシンメトリーな構図と、その変遷が楽しい。
同性愛の性描写もかなりストレートに描かれるので、好き嫌いは分かれると思うけど何せお洒落センスが凄い!
劇中流れる「Bang Bang(Dalida)」が良過ぎて、すぐにApple Musicでダウンロード。音楽もいいなぁー。
今年はこれで映画観納め。
鑑賞は170作品。例年より3倍近く多い。
今年からFilmarksを始めて僕の映画ライフは激変しました。苦手なジャンルも苦手な俳優にもチャレンジしたり、ずっと観れていなかった昔の名作を観る様になったり。質も量も大きく変化した1年でした。
いいねとコメントを下さった皆様、ありがとうございました。来年も映画に沢山の時間が割けますように。皆様も良いお年をお迎え下さい。