【教科書には載っていない事】
19世紀のニューヨーク。黒人の音楽家ソロモンは突如拉致され奴隷としてニューオリンズの農場主に売り飛ばされてしまう。白人たちからの虐待を受けながら過酷な労働の12年間を描く実話に基づいた作品。
非常に辛いです。
こういった実話をベースにした映画を観賞すると何故、いま、このタイミングで制作したのかという事を考えてしまう。
これはただ単に黒人奴隷の自慰映画ではない。人間が人間を拉致し売買をし奴隷として働かせる。このようなありえない世界が170年前に存在していたこと。また未だに存在する地域があること。絶対に忘れてはならない。
歴史は繰り返される。
その通りだ。だが同時に人間は負の歴史を学び二度と同じ様な事をしない事が出来る唯一の生き物でもあるのだ。繰り返す事も二度としない事も人間は出来るのだ。
また我々の〝当たり前〟を覆す作品である。普遍的な価値観を変えられた我々はそこから何を感じ取り、何を学ぶのか。
制作側にも手掛けたブラピは奴隷制の必要性が無いと考えるカナダ人を演じた。ブラピ自身が訴える意見と非常に似ているのかもしれない。もしそうで無いのなら彼は進んでカナダ人の役を選ばなかったであろう。
そして何と言っても黒人霊歌が印象的だ。
〝Roll,Jordan,Roll〟
涙が溢れ出た。