片腕マシンボーイ

富江 アンリミテッドの片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

富江 アンリミテッド(2011年製作の映画)
3.9
再鑑賞再レビュー祭!わっしょい!

ホラー漫画界の鬼才伊藤潤二と
カルト映画界の鬼才井口昇
ふたりの個性は果たしてうまく働きあうのか?

1年前、姉の富江は工事現場の事故に巻き込まれツキコの目の前で死んだハズだった
突如何事も無かったかのように帰ってきた富江
父は富江を溺愛するあまり狂っていき再び悲劇が訪れる

日本ホラー界の誇るエースキャラクターともいえる富江を違和感なく井口ワールドへと融合している監督の手腕に感嘆
伊藤潤二のおどろおどろしい愛の地獄が、井口昇のコミカルかつ変質的な世界観に落とし込まれ
さらに全ての男、人間、生物を虜にし、愛に狂わせる富江を仲村みうが完璧に再現することで最高のラブストーリーになっている!

仲村みうの恐ろしくも美しい、妖艶な富江ぷりの素晴らしさ!
冒頭の富江張り付け死のシーンの造形美は、仲村みうの雰囲気にぴったりのゴアシーンだったし、ヌメヌメとした血に塗れながらも不気味で美しい笑みを浮かべる富江にはやっぱり抗いきれない魅力があった

髪に固執する父などの変態描写や怪奇弁当のようなユーモアグロなど井口監督の得意な描写が富江の世界観にバッチリ溶け込み、西村さんの愉快な特殊造形にキャッキャウフフし、終盤のパニックシーンは小躍りしちゃうくらい楽しいかんな!

そして井口昇監督はこの映画のツキコに過去の自分を投影していると感じる、自分の存在に自信を持てないツキコ、自分は姉の出涸らしだと思い込むツキコ
しかし、今や監督は世界中のカルト映画ファンにとって無くてはならない存在、これからも素晴らしいバカ映画を生み出し続けて欲しい
ついに今週末に公開がせまる井口監督の新作「少女ピカレスク」が怖いけど楽しみ!
「覚悟はいいかそこの女子。」はそうでもない…

しかし、「片腕マシンガール」といい、本作といい、井口監督の天麩羅に対する偏愛がヤバい…、過去に天麩羅と何かあったのだろうか?

ちなみに今朝起きたら、テレビが本作のジャケと同じ画のメニュー画面になっており、目覚めと同時に富江と目が合った上に、ケタケタいう不気味な笑い声までしていてめちゃビビったわ
葵ちゃんとお友達になるという、数年に一度あるかないかくらいの幸せな夢見ていたのに台無しだぜ!しかも「ドロメ」ん時くらいのベリーショートの葵ちゃんやからな!ぷんすか!