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ダラス・バイヤーズクラブのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

荒れ狂う牛を跨ぎ、時間数を競い合うロデオ。

男は牛舎で女二人を抱くカーボーイ。
イカサマ違法賭博をしては負けたら逃走するどうしようもないオヤジ。

彼は電気技師として事故現場に向かい、処置をしている最中に感電し、失神する。

病院で目を覚めると衝撃的な告白をする。

「あなたはHIVで、余命は30日間です。」

そこから始まる壮絶な自分との戦い。
あと30日で死ぬとわかったら、普通、30日で何ができるか、死ぬまでのことを考えるだろう。

だが、男は違う。
死なないために何が出来るか、死なないことを前提に考える。そして未承認の薬物による延命治療に行き着く。メキシコでだ。

ビタミン剤、ペプチドT、DDC。
つまり、T細胞の数値を改善させ、致命的な副作用ビタミン破壊を回復させるというもの。

それを商売にするのだから面白い。

転んでもただでは転ばない男は、ダラスバイヤーズクラブを始め、薬物の違法転売を行う。会員制の延命措置だ。

これまで認可されている薬物はウイルスそのものを破壊するためのものだった。その効果はアメリカ国内のHIV患者の96%が半年以内に死んだことが証明している。

男の命は7年もの間、延命される。
30日しか生きない身体は、彼とその不認可の薬によって生かされた大勢の命に希望を与えた。

本当の悪は誤った正義と逸脱した倫理観だ。

政治と製薬会社、医師会との癒着は逸脱した倫理によって死に瀕した患者を、より絶望的な境地に追いやり、知識と権利の暴力により、本来自由なはずの生存権を奪っている。

最低なことだ。
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