垂直落下式サミング

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

4.2
そして、処刑山パート2。移植されたゾンビの細胞。男の右腕に魔が宿る。
終わりなき戦争体験を引きずった第二次大戦の軍人ゾンビたちが、因縁の土地でぶつかり合う。時を超えた殺しあい。呪いあい。ゾンビにはゾンビをぶつけろ!遺恨を残したものたちが闘志に変えた負の感情。マイナスとマイナス。掛け合わせて、いまこそプラスに転じるのだ。
女子供どころか、身体障害者の人とかにも容赦ない残酷描写がいい。車イスを押してゾンビから逃げているヤツが、持ち手を離して見殺しにして自分だけ逃げるところは、不謹慎だけど笑ってしまった。現実にゾンビが出現したらあり得る光景なんですから、こういうほうが誰かを特別扱いしていないような気がして、僕は好きです。
本作では、主人公のSOSを受け取ったゾンビの本場アメリカからの助っ人が登場。ノルウェーに参上するアメリカ公認ゾンビ・スクワッド!ろくでもない!ボンボンのアメ公がクレジットカードでホームセンターに経済効果をもたらす。
北欧に降り立ったこいつらの能天気な旅行気分が終始鼻につく。しっかり活躍して、そこそこ格好いいまま終わるのが気に食わなかった。ゲイの人はあっさり死ぬのに…。
映画のポリコレ配慮に賛成派って訳じゃないけど、ゲイは古いタイプのオネエ系オカマ(一応足の速い肉体派)な描きかたなのに、ナードたちにはスカした態度のまま生き残るのなんかムカつくんだよな。今までバカにされてきたけど、ついに実践で大ハッスルみたいな感じだったら印象も変わったかも。
ゾンビもだけど、脇役のキャラクターたちの地元民っぽさが可愛くて好きでした。のどかな田舎町の警察署長とその横にひかえる女の子がフレームインするたび、その身長差にときめきが弾ける。