巡査のダンカンが自殺するが、デイブ・バニオン（グレン・フォード）はその動機に疑問を持ち捜査を始める。やがてギャングや警察上層部が関係していることが見えてくる。関係者が殺され、手を引くように脅迫されるデイヴだったが、警察を辞め単身調査を進めるのだった。
「メトロポリス」の巨匠フリッツ・ラング監督作品だが、ハードボイルドも見事。
凝った筋立てではないし、悪徳刑事に黒幕にヒロイン、腕っぷしの強い正義漢の主人公と全てがお約束の設定なんだけど、上手く噛み合っててかなり面白い。
序盤、主人公デイヴと妻の会話が楽しい。
奥さんはやりくり上手で会話のセンスが抜群で、夫と酒もタバコもシェアして対等だ。バカでかいステーキも2人できっちり半分ずつと豪快。“子供は昼は天使で夜は悪魔” と笑いながら育児本をこけ落とす。
すっかり彼女に魅せられるのだが、後の展開が反動で衝撃的！
「シマロン」「カウボーイ」「ポケット一杯の幸福」などのグレン・フォードはけっこう好きなんだけど、どうも華がないなーと想ってたら、この映画の存在感はなかなかだった。
彼が笑顔をなくし、静かに復讐の鬼となって真相を探る姿から目が離せない。
対するリー・マーヴィンの悪役ぶりも素晴らしい。
驚きはないが、古典的ハードボイルド、フィルムノアールを楽しむには最適な一本だ。
しかし、缶切りでビール缶を開けてるのにびっくりした。
