巡査部長の自殺行為に不審感を覚え始めた捜査官（グレン・フォード）が、街の悪事を扇動している闇組織に付け狙われてしまう。警察組織と反社会的勢力の癒着をテーマに取っている、ノワール調のサスペンス映画。
主人公が捜査を進めると、あらゆる方向から妨害が始まり、ついには家族が理不尽な被害に遭ってしまう。孤立無援の状態に陥った主人公が、己の正義のもとに捜査を強行。善と悪が入り混じった、トランス感覚に見舞われていく。
内部事情に踏み込んだ捜査をおこなうと、警察署の上層から捜査中止を命じられる。敏腕刑事の捜査が、上司によって断ち切られてしまう不条理性。そして、主人公が深入りすればするほど、負の連鎖が発生してしまうグロテスク現象。
若きリー・マーヴィンが敵役となり、その愛人（グロリア・グレアム）がヒロインの立場となる。しかし、本作のヒロインは主人公側とギャング側、その双方の異常性を引き立たせるための役回り。ヒロイン像に新機軸のパラダイムシフトが発生している。
