カラン

17歳のカランのレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
4.0
医師をしている実母と継父の裕福な家庭の17歳の少女が、ネットで知り合ったおじさんやお爺さんと、20歳だと偽って売春を始める。値段は300〜500ユーロ。劇中で、精神分析家に値段を聞くシーンがある。1セッションの5倍以上の金を自分は取るので、「安いね」と彼女は言う。。。




フランソワ・オゾンって昔何を観たのかも忘れるくらい粗雑な記憶では、物語的展開は鈍重なイメージなのだが、今では、『危険なプロット』(2012)といい、流暢で、滑らかに物語を展開させる人のようだ。ウディ・アレンのように気楽に撮影している感じさえしてくる。だからなのか、軽い。

前半はロストヴァージン以後、ひたすら売春。後半をさらってみる。

主演はマリーヌ・ヴァクトで、撮影当時は20を超えている。映画に出演し始めた頃のジェーン・マーチよりもずっと薄く、脂肪が少ない。親に売春がバレた後。パーティーに行くときはモッズコートにジーンズ、そしてパリ娘らしくゆるくアップにしていた。強烈なストロボが閃光を発する乱痴気騒ぎのなか、優しい笑顔を浮かべて、人気のないバルコニーに抜けると、彼女を好きだった男の子が。タバコを吹かして月明かりに顔の半分を照らされて、顔の半分を闇に埋めたミディアムショット。あどけない男の子にキスをせがまれる。

明け方のポン・デ・ザールに、恋人たちの南京錠が無数にかけられている。

別の日。彼女の家。朝。男の子とやっている。リードしてあげる。男の子が先にダイニングにいる彼女の家族と団らん。シャワーを浴びて遅れて来た彼女は、直後に男の子に別れを切り出す。

再び、売春をしていた時の端末に変えて、アクセス。腹上死したお爺さんの奥さんと邂逅して終わり。エンディングはもう何度も劇中でかかっていたフランソワーズ・アルディ。外しているよね。わざとなんだろうけど。さらっと外す。聴いていて変だからね。


自分はレンタルDVDだから、まあ、ご愛嬌だけどもさ。流れるようにさらさら進んでいって、微妙に整合性がない。(^^)
カラン

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