キヨ

LEGO(R) ムービーのキヨのレビュー・感想・評価

LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)
4.3
<2015/3/29 DVD>
すべてレゴ(いちおうCGだけれど)でできた世界観のアクションコメディ。子供向けとたかをくくると、最後で泣かせる「LEGO愛」に満ちた傑作。

子供の頃よくLEGOで遊んでいた自分としては、ともかくしょっぱなから「すごい!!」と思えるシーンの連続。ともかく全部レゴ。町全部レゴ。爆発とか特殊効果も全部レゴ。レゴレゴレゴ・・・。CGとは思えないリアルさに、ストップモーション風の動きも相まって、「これ、全部作ったの!?」と感じて、感動しっぱなしだった。

内容としてはテンション高めのコメディで、レゴらしく何でもありの組み立てアクション。レゴで展開された映画シリーズ(スターウォーズやアメコミなど)のキャラも出てきて、めちゃくちゃチグハグな独特な世界観が可愛くて面白い。ロードオブザリングのガンダルフとハリーポッターのダンブルドアが名前を間違えられて怒ったりとか、なぜかウディ・アレンがなぜか出てきたりとか、爆笑した(笑) 映画好きならなお楽しめるパロディが多いのも嬉しい。

中盤まではそんなパロディ風コメディアクションだが、途中から真のテーマが語られてくるが、ここがこの映画を傑作にしている点だと思う。きっと昔レゴにはまった人は少なからずふと自分のことを振り返ってしまうと思う。
ものづくりを仕事としている自分としては、主人公が次第にマスタービルダー(映画の中でレゴを組み立てる能力)に目覚めていきながらも、最後の敵にかける言葉がすごく胸に響いた。クリエイターという仕事において、この映画で描かれる「自由」と「厳密」といった二つの主義は矛盾しながらも、自分の中に常に持っているから。
そんな中、この映画で提示されるのはどちらも許容する「創造力」そのもので、まさにそれはレゴというおもちゃが体現している信念そのもの。だからこそ長く愛され、玩具としても、はたまたコレクター達のジオラマとしても遊ばれてきたのだと思う。
そういう点で、映画としてのモチーフの特徴、信念を脚本、テーマとして溶け込ませている本作は子供向けではないかなり骨太な映画ともいえると思う。

映画を見ながら「あ、あのパーツよく使ったなぁ」とか思いながら懐かしながらとても笑わせ、感動させてもらった。またレゴを引っ張り出して、遊んでみようかな。
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