キャッシュカードを事情により止められたおっさんが色んな場所を右往左往するという他愛のないストーリーだけれど、そんな主人公が彷徨うニューヨークの日常の風景を軽快かつ魅力的に切り取る撮影や個性的な登場人物との他愛のないけれど愛らしい絡みが魅力的なスケッチ映画となって惹き付けられた。一時間近くという短い時間も見やすくて作品のポップな味わいをより高めている。
自分が大変なのに何故か困っている街の人たちに声をかけ協力する気のいい主人公が微笑ましい、そんなお人好しな彼にもたらされる少し辛口だけれどどこか救われたようなラストが妙に気持ちいい。
それにしてもスケールの小さいサイズのお話なのに、出てくる女優がみな綺麗に撮られているところに監督の優れたセンスを感じる。
