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花咲くころのbennoのレビュー・感想・評価

花咲くころ(2013年製作の映画)
4.1
ジョージア(グルジア)🇬🇪の作品…。

ストーリーはエクフティミシュヴィリ監督の少女時代の思い出をもとに脚本が書かれ、戦争の不毛さや女性の権利ついて…厳しい時代の中、強く生きる少女達を女性監督ならではの目線で描きます…。

ソ連から独立した翌年1992年の現ジョージア…アブハジア紛争を背景に混沌とした首都トビリシ…そこで暮らすエカとナティアの14歳のふたりの少女…

エカの家族は母親と姉の3人暮らし…父親については後々わかるのですが、どうやら刑務所に入っているらしい…。母親や姉とぶつかり合ったり、同年代の男の子に揶揄われたり…年相応の少女です…。

一方ナティアは両親と祖母、弟との4人暮らし…父親はアル中で両親の喧嘩が絶えません。また、エカよりも体も大きく少し大人っぽいためか、ふたりの男性から言い寄られます…。


〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜









ひとりはラダ…彼女に護身用にとピストルをプレゼントします…そんな物がプレゼントになること自体がとても驚きですが、ピストル片手に学校へ行く姿もジョージアでは違和感がないのでしょうか?ビックリですꙨꙻꙨꙻ✧*

ナティアはそのピストルを男の子に揶揄われるエカに渡します…。

そしてもうひとりはコテ…何と彼はナティアを拉致、誘拐結婚を決行します…この事実もとても衝撃的…。

元々ハキハキした性格のナティア…誘拐結婚を受け入れてどんどん不幸になっていく様子はリアルに痛々しい…。

またこの結婚式のシーンがとても印象的…。
男性社会であるジョージアでは結婚式のような因習の支配する場所に於いて女性は声をあげて主張することは許されません…そこでエカは突如みんなの前で踊り出します…それも慣れないダンスなのか、とてもぎこちなく…ただ自分の気持ちを表現せずにはいられなかったのでしょう…エカの鬱屈した眼差しが切なく、ダンスをする姿に痺れ、目頭が熱くなりました…。

そしてある日、殺害事件が…。

男達は武器を手にし、それこそがグルジア(ジョージア)の男なのだと誇らしげですらあります…少女達はそのような男社会に反感を抱きながらも自分の運命を受け入れるしかありません…。

でも武器は人を不幸にする…エカはナティアから譲り受けたピストルを湖へ投げ捨てるのでした…。


こうゆう映画の良さを伝えるのはとても難しい…一貫して起こった出来事をただ淡々と映し出します…何故そうなったのかは、ほとんど明かされません…。

ストーリー性よりもエカとナティアの存在自体をこの映画を通して知らしめたいのだと感じます…。

そしてラストのエカの姿…大きな不安に立ち向かおうとする勇気がとても眩しく映りました…。


thanks to; ゴリアテさ〰︎ん ✿ܓ✿ܓ
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