しゅん

ブリスフリー・ユアーズのしゅんのレビュー・感想・評価

ブリスフリー・ユアーズ(2002年製作の映画)
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喧騒やしがらみから抜け出した森でのランデブーの夢見心地と、立小便に中年の青姦、はてはチンポコのどアップに代表される生々しい映像の連続との二つに引き裂かれて、なんとも言えない余韻を残すアピチャッポン長編第2作。女の子の水色Tシャツの肩あたりに斜めに刻まれた二つの直線のシワがまるで傷痕のよう。全体的に、傷を癒そうとして余計にひどくするような、いたたまれない切なさが漂っている。

これでアピチャッポンの劇場公開作は全部観たことに。輪廻は彼の作品に頻出するテーマの一つだけど、作品ごとに緩やかな繋がりがあることにもある種の輪廻性を感じた。まだ足を怪我する前のジェンさん(役名だとオーン)を観れたのはちょっと感慨深い。
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