ろく

Oh!透明人間のろくのレビュー・感想・評価

Oh!透明人間(2010年製作の映画)
1.5
1970年代生まれで多感な小学生時代を過ごした「お前ら」なら確実に刺さる雑誌として「月刊少年マガジン」があるだろう(週刊でないぜ)。

小学生や中学生のリピドーをひたすらダダ漏れさせたまま親に隠れて女子に隠れて、あるいは学校の先生に隠れて読んだ覚えのある「お前ら」!そう「Oh!透明人間」で海老反りになり、「ハートキャッチいずみちゃん」で今度は体が「く」の字になり、さらには「いけない、ルナ先生」で前にかがむんだか後ろに反らすんだかわけわからなくなってしまった「お前ら」!。そうだ、あの名作が映画になって帰ってきたぞ。

風の噂では、そもそもP・ヴァーホーベンはこのマンガを読んであの名作「インビジブル」を作ったとのこと。きっとヴァーホーベンも海老反りになりながら毎月楽しみにしていたはずだ。そうだ、「Oh!透明人間」は日本が世界をリードするクール・ジャパン・コンテンツなんだよ。

……といってこの映画だが。まあポスターから見て無理だよ。いやこれが傑作映画のはずがないじゃないか。得意の棒読み、説明セリフ、ちゃちなセットとZ級映画になっている。ああ、観なければよかった……そんなことないない!いいんだよ。あのころが思いだすじゃないか。それだけで満足なんだよ(ほんとか?)

といいつつ主役の女子が全くと言っていいほどかわいくなく(しかもボーイッシュ。原作ではふわふわ女子がヒロインではなかったっけ)、テンションも下がる下がる。申し訳程度にヌードなんかで整形する前の大槻ひびきがチョイ役で出ており、時代と言うのはいつのまにか過ぎ去っているんだなぁと感慨深く思うこと請け合いである。

だいたい脇役になべやかんが出ている時点でこの映画を見る価値は全くと言っていいほどないだろう。しかも高校生役である。柳沢慎吾の高校生役より無茶である。この時点で見切りをつけるべきだ。

ただし透明人間変身シーンでは無駄にCGを使っており楽しませる。きっとこの映画の予算の7割がこのCGに使われたはずだ。間違えない。目玉が「いくら」になると透明人間になるんですよ(どうでもいい情報)。

最後は「いくら♪いくら♪」とクソどうでもいいエンディング曲で終わる。この映画を見なければ決して聞けない音楽だ。括目して聞け!

というわけであのころを過ごした「お前ら」!決して見るんじゃないぞ。見るなよ見るなよ見るなよ~。
ろく

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