ホーガン

ダリオ・アルジェントのドラキュラのホーガンのレビュー・感想・評価

2.9
敬愛すべきダリオ・アルジェントの過去作から順番に再鑑賞、レビューしてみようのコーナー。その第16弾。

先日公開された最新作「ダークグラス」のレビューから触発されて続けてきた本コーナーも最後を迎える。

原作物をダリオが撮るのは「オペラ座の怪人」以来か。2012年公開で当時72歳、しかもダリオ初の3D映画である。さすが新し物好きのダリオだ。

ダリオがドラキュラ映画って不安しか無いが、その不安は的中する。当然のことながら昔のアーティスティック作風は復活せず、慣れていない3D撮影なのか、やたら明るい照明のためにセット感が出過ぎでチープ、演出もハマープロ時代を再現したいのか古い。これに唐突な残酷描写と過剰なおっぱいが加わるという謎作品に仕上がっている。まあこの流れは「サスペリア・テルザ」と同じ。CGも多用されているがそのレベルは低くて明らかにCGと分かるものだ。話題の「巨大カマキリ」もこれに含まれる。
改変された物語も特筆すべきものはなし。トドメがニンニクエキス入り銃弾というのもなんだかなぁw

まあキャスティングは悪くないかな。ドラキュラ役も雰囲気はあるし、娘のアーシアも手下ヴァンパイア役にビジュアル的にも合っている。ヘルシング教授役のルドガー・ハウアーも良き。

というわけでダリオ作品レビューのコーナーはこれでおしまい。本作からさらに10年後に「ダークグラス」を撮るわけだけれども、80歳を超え、最早、ダリオ作品を見られるだけでもありがたい。さて、次の作品はいつ見られるのか。「ダークグラス」が遺作になってしまうのは悲しい。
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